東京朝鮮高校生「無償化」裁判・最高裁不当決定へ抗議声明

東京朝鮮高校生「無償化」裁判・最高裁不当決定への抗議声明


東京朝鮮高校生「無償化」裁判・最高裁不当決定への抗議声明


 2019年8月27日、最高裁判所は、62人の東京朝鮮高級学校生徒が原告となった「無償化」裁判について、原告を敗訴させる決定を下した。この不当決定は、他の高校生と平等に扱って欲しいという朝鮮高校生たちの思いを踏みにじるものであり、絶対に許すことはできない。また、すべての高校生に学ぶ機会を保障しようという「高校無償化」法の趣旨を否定するものであり、法の下の平等に反するものである。この不当決定によって最高裁判所は、法理を破壊し、人権救済の役割を自ら放棄し、安倍政権の差別政策に加担した。私たちは、断乎として抗議する。

 しかもこの決定は、名古屋、福岡、広島の各高裁で「無償化」裁判の判決が出る前に行われた。このタイミングでの決定は、各高裁裁判官に示唆を与え、原告敗訴の流れを決定づける目的があるとしか考えられない。私たちは、各高裁の裁判官たちに、自らの良心にのみ従うことを、そして、差別を是正するための判決を求めたい。

 最高裁決定は、山﨑敏充、戸倉三郎、林景一、宮崎裕子、宇賀克也の裁判官全員一致の意見である。このなかには行政法の専門家もいると聞くが、一人として、少数意見すら書くことはなかった。知性と勇気と矜持をもった最高裁裁判官がいないことは、日本にとっての不幸であり、敗北である。朝鮮学校を排除するための省令改定を「違法、無効」とし、朝鮮総連が朝鮮学校に「一定の援助をすること自体が不自然であるということはできない」とした大阪地裁判決こそが、本来の司法の在り方だ。

 「高校無償化」からの朝鮮学校排除は、地方自治体による朝鮮学校補助金の削減、打ち切りという差別を引き起こしてきた。政府は、今度の「幼保無償化」においても、朝鮮学校の幼稚園・幼稚班を何が何でも排除しようとしている。是正がなければ、差別が差別を呼ぶ状況は留まることがない。

 それでも私たちは、差別のない社会をあきらめない。すべての人たちに訴えたい。政権と一体化し、人権を踏みにじる司法を弾劾しよう。朝鮮学校のことを知ろう。朝鮮学校と交流を持とう。朝鮮学校を支援しよう。差別反対の声を上げよう。すべての子どもたちに学ぶ権利を保障しよう!

2019年8月30日
 
東京朝鮮高校生の裁判を支援する会
(共同代表:阿部浩己、坂元ひろ子、田中宏、長谷川和男)
 
TEL080−3930−4971 Email mushokashien@yahoo.co.jp



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 「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」では、会員(個人・団体)を募集しています。

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東京朝鮮高校生「無償化」裁判 最高裁決定について

東京朝鮮高校生「無償化」裁判 最高裁決定について


号外829ページ1



 東京朝鮮高校生「無償化」裁判の最高裁決定が2019年8月27日付で出されました。理由の説明もまったくない、政府による公的差別にお墨付きを与えただけの結論ありきの決定です。

 原告の代理人として頑張ってこられた弁護団から、怒りの抗議声明が発表されましたので、ここに掲載いたします。

 なお、支援する会としては、「ヨンピル通信 号外」も発行しております。あわせてご覧ください。ダウンロードはこちらからお願いします。

号外829ページ2



■ 最高裁判所第三小法廷2019年8月27日決定に対する東京朝鮮高校生「高校無償化」国賠訴訟弁護団コメント

                                2019年8月28日

 本件で東京高裁は、行政処分の効力発生時において存在しない法令に基づく行政処分を有効と解しましたが、これは明らかに、最高裁判所の判例に相反し、法令解釈を誤ったものでした。当弁護団はこの点の違法性を明確に主張しました。

 しかし、最高裁は、本件について、具体的理由を何ら述べることなく生徒らの主張を退け、判例に明確に相反する東京高裁の判断を放置しました。

 本日の最高裁決定は、下級審の誤りを是正し、法令解釈の統一を図るという最高裁の職責を果たさず、また、行政による違法な行為を是正するという司法府の役割を放棄したものです。

 弁護団は、本最高裁決定に断固として抗議します。

 最高裁の決定が維持した東京高裁判決は、朝鮮学校が指定のための要件を満たさないとの「疑い」があることを理由に朝鮮学校を不指定にした文部科学大臣の判断について、「裁量権の逸脱・濫用はない」としました。しかし一方で、東京高裁判決は、朝鮮学校が指定のための要件を満たしていないと積極的に認定したわけではありません。

 本訴訟の審理の過程では、下村文部科学大臣(当時)が、高校無償化法の趣旨・目的に反して、「拉致問題等があり国民の理解が得られない」との政治的外交的理由から、朝鮮学校指定のための根拠規定をあえて削除して、不指定処分を行った事実経過が明らかになりました。

 また、下村文部科学大臣が、朝鮮学校指定の可否を教育的観点から議論していた「審査会」の審理を打ち切り、自民党が野党時代から主張していた「朝鮮学校排除」の規定方針にもとづいて不指定処分を行ったことも明確になりました。

 私たち弁護団は、改めて、朝鮮学校のみを排除した文部科学大臣の不指定処分に対して抗議の意思を表明します。

 高校無償化法は、「家庭の状況にかかわらず、すべての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくる」ことを目的とするものであり、同法のもとでの就学支援金制度は、各種学校認可を受けた全ての外国人学校を対象とするものです。

 私たち弁護団は、高校無償化法の趣旨・目的にのっとり、一日も早く、朝鮮高校を就学支援金制度の対象とすることを求めます。

                                       以上



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